個人事業主の事業承継への税優遇-2

経済産業省は、現在検討している個人事業主への事業承継への税優遇について、事業主が作成する「事業承継計画」を都道府県が認可した場合のみ、適用するようです。

個人事業主の事業承継税優遇とは、事業主が子供等に事業を引き継ぐ場合に贈与税や相続税の課税の支払いを猶予するもので、税優遇の対象が土地、建物、設備等と広いため、自家用の高級車等を事業用として申告する悪質な節税の問題が指摘されておりました。これを都道府県がチェックする体制となりそうです。

個人事業主については現在、小規模宅地の特例により、事業用の土地の減額措置がありますが、今回の事業承継税制との選択適用制となりそうです。

2018年11月7日

仮想通貨取引ー課税強化

財務相は仮想通貨取引の悪質な申告漏れに対し、課税強化対策を検討しています。

2017年に税務署への申告で、仮想通貨収入があることが判明している人は331人だけとかなり少数です。

検討中の対策強化案は、申告漏れが疑われる場合、仮想通貨交換業者に取引した個人の氏名等の基本情報を照会できる「情報照会制度」の仕組みを整備する案が有力です。このような情報照会制度は米国、英国、ドイツ等で先行して導入されており、租税回避行為の調査制度として活用されています。

他に、仮想通貨交換業者が仮想通貨取引による所得を源泉徴収する案や、一定規模を超える仮想通貨取引に法定調書を義務付ける案も出ています。しかし、仮想通貨の価値を円換算して算出する難点等から仮想通貨交換業者から源泉徴収に対しては難色が示されており、また法定調書案に対しては取引を細分化して提出されないケース等が想定され実効的でないという意見があります。

今後の議論を見守っていきたいと思いますが、やはり「情報照会制度」を推す声が大きくなるのではないでしょうか?

 

2018年11月5日

英国「デジタル課税」導入

英国政府は、大手IT企業(GAFA等)を対象とするデジタル課税を2020年4月から導入する方針です。税率は、IT企業が英国で稼いだ売上の2%で、年間約570億円の税収が確保できるそうです。この新税制は、ベンチャーや起業家を対象とせず、世界の売上高が年間約720億円以上の黒字事業部門だけを課税対象とする予定です。

現在国際ルールでは、恒久的施設(PE)がない限り外国企業に課税できないため、売上に比べ税負負担がかなり低い、巨大IT企業への課税が問題視されてきました。しかし、巨大IT企業の多い米国や中国等の反対により、国際的な合意形成は難しい状況が続いております。

英国財務相は、この税制はG20やOECDが国際ルールを決定するまでの暫定措置で、国際ルールが形成されれば、それを採用するとしています。

今回、先進国で初めて導入されるデジタル課税により、巨大IT企業に対する税制の議論及び導入の動きが今後加速されると思われます。

2018年11月2日

プレミアム商品券ー消費増税対策

財務省と総務省は、来年の消費税増税時の低所得者への景気対策として、マイナンバーカードに貯められる自治体のポイント制度を「プレミアム商品券」に活用する意向です。プレミアム商品券は、購入価格に一定額を上乗せして買い物ができる仕組みで、利用できるのは発行した市区町村に限られ、政府が実施した場合、国がそれを負担するのが通常です。今回の商品券は、紙と自治体ポイントの二つの形態で発行され、紙よりも自治体ポイントの上乗せ分が大きくなる見通しです。この対策は主に低所得者を対象としているため、支給に所得制限が設けられる見込みです。

2018年10月30日

コンビニ食品に軽減税率

財務省は来年の消費税増税時に同時導入される軽減税率に関し、コンビニエンスストアなどで購入される飲食料品を原則として軽減税率の対象とするようです。ただし、軽減税率とするためには、店内に休憩所を持つコンビニエンスストアは、休憩所に「飲食禁止」と明示し、実際に顧客がそこで飲食しないことを徹底することが条件となります。

軽減税率制度とは、消費税を10%に引き上げた後も、飲食料品や新聞などの税率を8%に据え置く措置です。飲食料品については、購入後持ち帰れば8%の軽減税率が適用され、外食については軽減税率の対象になりません。
つまり、コンビニエンスストアの店内飲食コーナー(イートインコーナー)の「飲食設備」を利用して食べる目的で飲食料品を買えば、軽減税率の対象にならず税率は10%になります。
どちらの税率が適用されるかは、支払い時にレジで、持ち帰るか(テイクアウト)、店内で飲食するかの顧客の意思表示で決まります。
ですから、軽減税率で飲食料品を購入した顧客が、店内で飲食しないようにすることが重要な課題となります。

一方、コンビニエンスストア大手はイートインコーナーについて、あくまでも食べる場所とする立場で、「飲食禁止」とすることには否定的なようです。もし、コンビニエンスストアが増税後もイートインコーナーを継続し、軽減税率で購入された食料品が店内で飲食される場合、外食業界に懸念が生じます。外食は持ち帰りを除いて税率10%が適用されるため、競争上不利になり、課税の公平及び中立性が阻害される可能性があります。

特別休暇導入で中小企業に補助

厚生労働省は、特別休暇制度を導入する従業員300人以下の中小企業に補助金を支給するそうです。特別休暇とは病気休暇やボランティア休暇など様々な目的に使えるもので、年次有給休暇とは異なる任意の制度です。申請要件は、就業規則に特別休暇の規程を導入し、残業時間が実際に月平均で5時間減った場合であり、補助額は最大で100万円の見込みです。開始予定は2019年4月です。

消費税増税時の経済対策ー2%ポイント還元

政府は、来年の消費税10%増税時の経済対策として、中小小売店において、キャッシュレス決済(電子マネー・QRコード等)した商品購入者に対し、購入額の2%分のポイントを還元するそうです。

この措置は、来年10月から数か月間継続されます。

注意すべきは、手続上の煩雑さから、増税後も8%に据え置かれる食料品等もポイント還元の対象となることです。

この副次的効果として、他国と比較して導入の遅れている中小小売店のキャッシュレス決済化の促進に資することが期待されます。

遺産分割協議の期限が10年に

法務省は遺産分割協議期間を相続開始から10年に限ることを検討し、2020年の民法改正を目指すようです。

現在は遺産分割協議期間に制限がないため、先代名義のままになっている不動産が多々存在し、土地を利用したい人からみれば、実際の所有者が不明で、土地利用促進の阻害要因でした。

改正内容は、話し合いがまとまらなかったり、家庭裁判所への調停申し立てがされないまま被相続人の死後10年たてば、法律に従って自動的に権利が決まるようです。
未だ詳細な内容は不明ですが、基本的には法定相続分で決まるのではないでしょうか?もちろん遺言があればそれが優先されるでしょう。

懸念されるのは、法定相続分で持ち分が確定した場合、共有不動産となるため、意見の不一致が生じることです。

その解決策として「管理権者」の設置が検討されているようです。これは、相続人を代表して取引の窓口になる機関で、共有者の過半数の持ち分が集まる場合に設置可能です。意思決定の際、これまでのような共有者全員の同意までは必要なく、第三者が購入したり、賃貸しやすいシステムとなります。

また、消息不明な相続人が共有者にいる場合、その持ち分を他の相続人が取得できるようにする方策も検討するようです。

初・再診料値上げか?

厚生労働省は来年の消費税率10%引き上げに伴い、患者が病院や診療所で支払う初・再診料の引き上げを検討するようです。

消費税では、医療の対価としての医療報酬は非課税ですが、医療機関が購入する医療用具・機器設備等の仕入れには消費税が課税されているため、その負担を調整するためです。

初・再診料の上げ幅は、現段階では不明ですが、平成14年の消費税率8%引き上げ時に実行された初・再診料の引き上げ額程にはならない見込みのようです。

2018年9月28日

個人事業主の事業承継への税優遇-1

経済産業省は19年度の税制改正要望に、個人事業主の相続人が事業を継続する場合に、相続税の減免を盛り込むようであります。

現在、土地の減免はありますが、これを設備や建物にも拡充する方向性のようです。

ただし、個人資産と事業用資産の線引き等の実務上の課題もあり、公平性を阻害しないか懸念が残ります。